村上春樹『騎士団長殺し』を読む (ネタをばらしています。未読の方はご注意あれ) 1. どんな作品か――参照作品は『ねじまき鳥クロニクル』 村上春樹の『騎士団長殺し』を読み終えた。 読み始めてまもなく気がつくことは(多くの人がそうではないかと推測されるが)、『ねじまき鳥クロニクル』の舞台や人物の設定に、かなりの部分で重なっているということだった。 主人公… トラックバック:0 コメント:0 2017年03月03日 続きを読むread more
村上春樹と「学生運動」 『村上春樹の隣には三島由紀夫がいつもいる。』を刊行してずいぶん経った頃、あるウェブサイトに次のような文章が掲載されました。 《この佐藤幹夫さんの本は、村上春樹の小説を、「三島への挑戦」という観点から読み解いていて示唆に富むのですが――ちなみに、佐藤さんによれば『ノルウェイの森』は『春の雪』への挑戦です。なるほど、ある種の「美学」と… トラックバック:0 コメント:0 2010年09月10日 続きを読むread more
『1Q84』と9・11世界同時テロについて(その2) 『1Q84』が9・11世界同時テロに着想を得た、という村上春樹氏の発言について、もう少し感想を述べてみたい。 エルサレムでの受賞スピーチの際にも感じたことだが、メッセージの対象が、ほぼ100%世界の市民になっている。「イスラエル」や「9・11世界同時テロ」であれば、どの国の人が相手でも、まずは前置きなしでメッセージを届けることがで… トラックバック:0 コメント:0 2010年09月06日 続きを読むread more
『1Q84』と9・11世界同時テロについて(その1) 少し前、『1Q84』を着想する契機として、2001年にニューヨークで起きた9・11世界同時テロもその一つだった、と村上春樹氏自身が述べた、という記事が載っていた(8月24日読売新聞夕刊)。ノルウェーのオスロ市内で行われた講演でのことだったという。記事によれば「『今、生きている世界とは別の世界がすぐそこにあるのではないかという感覚… トラックバック:1 コメント:0 2010年09月02日 続きを読むread more