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zoom RSS 書評・花戸貴司『ご飯が食べられなくなったらどうしますか?』

<<   作成日時 : 2015/05/30 17:41   >>

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 ふるさとの会でご一緒する高橋紘士氏より、東近江地域医療連携の「三方よし研究会」(主宰 小串輝男氏)を紹介していただきました。さっそく東近江市永源寺診療所に花戸貴司医師を訪ね、取材させていただきました。(永源寺診療所については、以下、ご覧下さい。)
http://eigenji-clinic.blogspot.jp/2015/03/blog-post_10.html

 そのご縁で、花戸医師の新刊『ご飯が食べられなくなったらどうしますか?』(農文協)を書評する機会をいただきました。短いものですが、ここに再録します。(永源寺診療所取材の記事は、次回、掲載します)



書評・花戸貴司『ご飯が食べられなくなったらどうしますか?』、写真・國森康弘
2015年5月号掲載『健康保険』


 タイトルを目にした読者はどんな印象を受け取るだろうか。

 これはむしろ反語的で、じつは「人生の終幕を、家族に囲まれながら過ごしませんか。地域一丸となってお手伝いをしますよ」というメッセージが、本書には満ちている。語り口は柔らかだし、寄り添う姿勢が全編に刻まれているのだが、この反語的な問いは「人生最期の主役は医療ではない、皆さん自身だ」という揺らぎのない信念の謂いでもある。

 もう一つの見どころ。写真家・国森康弘氏の作品との強力なコラボレーションになっていること。

 国森さんは、花戸医師が訪問する東近江市永源寺地区の皆さんの、いのちと老いとその暮らしとを、まっすぐに見つめている。モノクロ写真に特有の情感をフルに発揮しながら、生まれたばかりの赤ちゃんから息を引き取ったばかりのお年寄りまで、余すところなく写し出していく。

 そして「永源寺の地域まるごとケア」というサブタイトル。なぜ地域包括ケアではなく、地域まるごとケアなのか。

 推測するに、今やさかんに喧伝される地域包括ケアシステムを、すでに15年も前から工夫を重ねながら地道に作り上げてきた、という著者の自信と自負が、じつはひそかに込められている。

 その1例。永源寺地区では毎年60名ほどの方が亡くなられるという。現在、著者が看取る方々はそのうちの半数。診療所に赴任した最初の年はゼロだった。訪問を重ねながら、毎日毎日、「食べられなくなったら…」と訊ね続けてここに至った。「10年はかかりましたね」という医師の言葉もお伝えしておこう。本書はその10年の記録である。

(再録にあたって、本文に、改行を加えています)

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